知財権を取得する第三の理由は、未来の有望な製品・サービスを先回りで占有するためです。
そもそも、知財権は現在ではなく将来になって役立つ道具です。
例えば今日、特許出願を提出したならば、それが特許になって実際に役に立つ時期は、今から3年後、5年後、10年後、あるいはさらに先の将来です。
また、商品や知財権には寿命があります。今売れ筋の商品も将来必ず衰退します。今の知財権も将来必ず消滅します。いつまでも現世代の商品や知財権に依存していられないのです。
次世代へと乗り換えなければならない時が必ず来るのです。
今有望な商品領域には、すでに多くの競合企業の知財権がひしめき合っています。ですから、そこで自社が優位に立つのは容易ではありません。一方、将来有望だがまだ「空白」である領域を先取りすれば、より容易に優位に立つことができます。
このように、知財活動では、常に将来を考えなくてはなりません。すなわち、将来の製品・サービスをどうすべきか(将来目標)を特定し、その将来目標の実現のためにどんな知財権を取るべきかを決定し、そのような知財の創出と権利取得に努力するべきです。
10年~15年先まで見通すことは無理でも、少なくとも3年~5年程度先の将来商品を構想し、それを先取りする技術やデザインの知財権を取得する努力を続けるべきです。
このようにして未来力のある知財権を取得することは、強力な防御力もつ知財ポートフォリオを築き上げ、それを利用して将来大きな収益を獲得するための、最も効果的な方法です。
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